先日開催しました「中和で炭酸水を作ろう」にご参加くださいました皆様(都合が悪く個別対応にてご参加くださいました方も含めまして)、ありがとうございました。

さて、今回の理科実験では、酸とアルカリの性質についても学び、最後に炭酸水を作りました。

まずは酸性・アルカリ性の特徴を、知っている限り列挙しました。出切ったところで実験開始。まずは簡単な秤量(ひょうりょう)から体験。簡易な電子てんびんを使って重そうとクエン酸の量を、さじを使ってちょっとずつ量を調整しながら測りました。「うーん、もうちょっともうちょっと」と言いながら測り終え、それぞれ水に溶かして水溶液を作りました。

 

 

「重そう水溶液」「クエン酸水溶液」のほかに、「食塩水」「食酢」「レモン汁」「こんにゃく液」「せっけん水」の5つを用意。計7つの液体それぞれにリトマス試験紙を使って、水溶液が酸性なのかアルカリ性なのか(液性)を調べました。リトマス試験紙の色が変わる様子を記録し、それぞれの液体が酸性なのか、アルカリ性なのかを判別しました。

リトマス試験紙で液性を調べた後は、マローブルー溶液を使った実験を行いました。マローブルー溶液は、紫キャベツを煮出して作るのが一般的ですが、今回は夏の旬野菜である「ナス」を使うことにしました。手が紫色になる作業なので、「手が汚くなってきた」との心の声が。そんな中でも頑張ってナスの表面を紙やすりで削りました。少し削っては水につけてを繰り返し、濃い紫色の液体、マローブルー液を作りました。

「あー疲れたー」。頑張ってナスを削り出してマローブルー液を作り終えました。これを先ほど用意した7つの液体に加えると、酸性・アルカリ性に応じて色が変化!一緒に変化する様子をじっくり観察しました。出来上がった溶液は、酸性・アルカリ性に応じて写真のとおりきれいな色が出てきましたよ!

 

 

ここまでで、酸性やアルカリ性の液体が意外に身近にあることを体験してもらいました。最後に、酸とアルカリの性質を用いた中和反応で、飲める炭酸水を作りました。最初にクエン酸と重そうを秤量したのは、ちょうど中和する量を測り入れるためでした。いざ、クエン酸と重曹を混ぜてみたところ・・・!

混ぜた瞬間から大量の泡(二酸化炭素)が発生!一気に混ぜると勢いよく吹きこぼれるので、ちょっとずつ混合。シュワシュワーと炭酸のいい音が、参加者の「おおー」という言葉とともに部屋に響き渡りました。なお、このとき発生した二酸化炭素は、2.5Lもの量です(完全に中和すれば、の話です。)。

こうして、化学の力で炭酸水を作って楽しく中和実験を行うことができました。

ちなみに、参加者のうち、一人の勇気ある少年は炭酸水をごく微量、舐めて味見。その瞬間「うわ」という声がもれました。実はこの炭酸水、味が少ししょっぱいので美味しいとは言い難いです(この化学反応で発生するクエン酸三ナトリウムが塩の風味を持っているため)。私も小学生のときと今回の事前実験で飲みましたが、何度やっても味は「あーおいしいとは言えんなぁ」といったものでした。冷やしてから作るとまだマシかもしれません。

なお、上記のとおりナトリウムが含まれているため、高血圧の方はご注意ください。

2018.9.8「中和で炭酸水を作ろう」を終えて
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